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「どうした?」
ヴィトリアは楽しい会話を遮られたせいか少し苛立ちの籠った返事をした。
「敵襲です」
二人の会話に割って入った者はどうやら走って来たらしく肩で息をしていた。
「んなもん今まで通りお前らがやりゃいいだろ」
「それが……物凄い数の動物なんです」
「はぁぁ?動物?ここら辺にはカラスぐらいしかいねぇぞ?」
予想外の展開に肩透かしをくらうヴィトリア。
「でも、ホントにいるんです。どれも凶暴な肉食動物ばかりです」
部下の報告に耳を疑い、二人は自分の目で確かめるため少し足に力を入れ早足で歩いた。
レンガ造りの城にコツコツと足跡が鳴り響く。
窓の前に二人が立つとそこには目測でも測れないような数の動物がおり、まさかの事態に二人は大きく目を見開いた。
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