古城の戦い

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「退けお前ら。俺がやるから下がってろ」 「邪魔だよぉ」 地上に降り立った二人は目の前の部下達を押し退けて、人間と動物の戦いの最前線へ歩いてく。 勿論ヴィトリアは右手には金色に輝く天授十器の一つ・六星銃。 二人が最前線へと歩き着くと突然、ヴィトリアの右斜め前方から白虎が襲いかかってきた。 物凄い剣幕である。 「退けや。雑魚が」 しかし、白虎とは対照的にヴィトリアは悠然と六星銃を構え、引き金を引く。 耳を覆いたくなるような銃声がすると、直撃した白虎が後方に吹き飛ばされ、間もなく動かなくなった。 動物と人の群れはその銃声を聞き、凍り付くとヴィトリアは大きく息を吸い、静寂を破るように獣の咆哮のような大声をあげる。 「出てこい。俺たちが相手してやらぁ」 途端、押されぎみの部下達から野太い歓喜の声があがった。 瞬く間に部下達の目は輝き、生気に満ち満ちていく。
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