307人が本棚に入れています
本棚に追加
/189ページ
ここは古城から2km程離れた場所。
―クルス―
「この辺でいいのか?」
クルスは一緒に移動してた濃い坊主、サントスに尋ねた。
「いいよぉ。僕はぁヴィトリアの邪魔にだけはなりたくないんだぁ」
「ダラダラと喋ってて苛つくんだよ。お前。第一形態・爪」
苛立った口調のクルスの両手は悪魔のそれに変化させた。
「うわぁ、カッコいい能力だねぇ。僕もそんな能力が良かったなぁ」
――!……こいつも能力者だったのか。でも、所詮危険人物抹殺の対象にもならなかった組織の頭。
大した存在じゃないか。
「僕の能力はこれぇ」
サントスはまるで亀のように、ノロノロと喋りながら両手を地につけた。
――!……消えた?
なんだ?あいつの能力は瞬間移動か?透明化か?
いや、さっきあいつがいた所に穴が空いてやがる。となると多分あいつの能力は……。
クルスがサントスの能力について模索していると突如、後ろの地面からサントスが現れた。
――やはり穴を掘る能力か。
サントスは右腕に力を込めるとストレートのパンチを繰り出す。
クルスは寸前のところでそれを左に避けると、そのまま回転しながら左の爪で反撃した。
しかし、サントスは先程自分が掘った穴に潜りそれを回避する。
クルスはまたサントスの姿を見失い、数歩歩いた。
――ようは土竜(モグラ)みてぇなもんか。一々姿消されると面倒だな。早めに対処法見つけねぇと。
最初のコメントを投稿しよう!