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ここは古城から2km程離れた場所。 ―クルス― 「この辺でいいのか?」 クルスは一緒に移動してた濃い坊主、サントスに尋ねた。 「いいよぉ。僕はぁヴィトリアの邪魔にだけはなりたくないんだぁ」 「ダラダラと喋ってて苛つくんだよ。お前。第一形態・爪」 苛立った口調のクルスの両手は悪魔のそれに変化させた。 「うわぁ、カッコいい能力だねぇ。僕もそんな能力が良かったなぁ」 ――!……こいつも能力者だったのか。でも、所詮危険人物抹殺の対象にもならなかった組織の頭。 大した存在じゃないか。 「僕の能力はこれぇ」 サントスはまるで亀のように、ノロノロと喋りながら両手を地につけた。 ――!……消えた? なんだ?あいつの能力は瞬間移動か?透明化か? いや、さっきあいつがいた所に穴が空いてやがる。となると多分あいつの能力は……。 クルスがサントスの能力について模索していると突如、後ろの地面からサントスが現れた。 ――やはり穴を掘る能力か。 サントスは右腕に力を込めるとストレートのパンチを繰り出す。 クルスは寸前のところでそれを左に避けると、そのまま回転しながら左の爪で反撃した。 しかし、サントスは先程自分が掘った穴に潜りそれを回避する。 クルスはまたサントスの姿を見失い、数歩歩いた。 ――ようは土竜(モグラ)みてぇなもんか。一々姿消されると面倒だな。早めに対処法見つけねぇと。
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