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……あの坊主の音沙汰はない。
こっちの出方を伺ってるのか?
それとも、何か狙ってるのか?……まぁ、どっちでもいいか。
問題なのはそこじゃない。相性だ。
第一形態は爪、砲、剣、盾の四種類しかない。
第一形態じゃ地中にいる土竜を攻撃出来る術がない。
第二形態を使えばあいつの攻撃も届かないだろうが、あれは攻撃用じゃないしな。……第三形態……使うか?
あれを使えば楽勝で勝てるがあれは゛氣゛の消費量が半端じゃないからな。
出来れば温存したい。
どうす……?
色々と模索をしていた時、足元に違和感を感じたクルスは咄嗟(とっさ)に下を見た。
――……しまった!!足を捕まれた。
らしくないミスのせいでクルスは一瞬で地面に引きずりこまれる。
下からの力が止まった時は、既に下半身が埋まっていて身動きが取れない状態になっていた。
「くそっ、第二形態・翼」
クルスが第二形態の能力を発動させる前に、サントスは地中から現れ、クルスの眼前に聳(そび)え立つ。
そのまま右腕に力を込め今度は右腕のアッパーを繰り出し、クルスの左胸……つまり心臓にぶちこんだ。
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