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「お前の本当の能力は感知能力か?」
クルスは全てを悟った。
「そうだよ。僕の能力は身体中から氣を感じる事が出来る能力。
まぁ、普通はあの状態じゃ穴を掘る能力だと思うよ」
――やっぱりな。
俺は見事にあいつの術中に嵌まったって事か。
能ある鷹は爪を隠す。
こいつの場合は更に猫を被ってたってとこか。
「で?どうやってその結論に辿り着いたんだい?聴かせてよ」
「最初におかしいと思ったのは地中にいるあんたに、俺の居場所なんて分かる筈がないってことだ。
まぁ、あんときはあんたの『僕の能力はこれ』って発言のせいで、先入観を植え付けられて気づかなかったがな。
あの発言のせいで俺は能力が来ると錯覚してしまった」
「ご名答。あれは君に先入観を植え付けるために言ったんだ。それで?続けて」
「次にあの破壊力のあるパンチさ。
たった一発であの破壊力だ。信じがたいがその力のみで穴を掘ったんだろ?」
「正解。合格」
サントスは嬉しそうな顔で意味深なことを呟くと、クルスは怪訝な表情で聞き返す。
「合格?どういう意味だ」
「そのまんまだよ。僕は君を試してた。そして君は合格したんだよ。
なぁ、クルス・ラザヴォード……
双頭狼に入らないか?」
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