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「なんだと?」 クルスは耳を疑った。 今まで闘った相手がいきなりスカウトしてきたのだ。当たり前である。 「うちに入らないかって言ったんだ。残念ながら僕は計算は得意だが、能力は戦闘タイプではない。しかし、君は頭脳と能力の両方を持っている。実に素晴らしい。今死ぬには惜しい人材だ。 なぁ、クルス・ラザヴォード。僕の理想を共に実現しないか?」 「理想?何だそれは?」 「鬼神の復活さ」 「……鬼神?誰の事だそれは」 クルスにとっては意味のわからない言葉らしく眉をひそめた。 「鬼神とはかつて残虐の限りを尽くし、史上最悪の犯罪者と称された男の通称さ。 君なら、ラザヴォードの名を持つ君なら聞いたことぐらいあるだろ?」 「知らないな。それに、俺にはどうでもいいことだ。 後、俺はお前らの仲間になる気もねぇし、その鬼神にも興味無い。 俺にある欲はただひとつだ」 「唯一の欲?何だそれは?言ってみろ。その欲、僕が叶えてやるよ」 今度はサントスがクルスの発言に興味を持ったらしく聞き返す。 「お前じゃ無理だ。あいつはお前なんかじゃ、相手にもならない」 そういうとクルスは翼をしまい地上に舞い降りた。
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