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クリティバと名乗る男は癖のある緑髪をオールバックした筋肉質の男だ。
少し丸みを帯びた目は髪と同じグリーンアイである。
年齢は30歳前後だろう。
「敵じゃないってどういう事ですか?」
ルーナは予想外の展開に少し混乱しているが、自分より年上なのは明らかなので、直ぐに敬語に直し話す。
「そのまんまだよ。俺は双頭狼にして双頭狼にあらず。目的は君と同じさ」
「……つまり、この移動用物体を破壊する為のスパイってことですか?」
「おっ。察し良いね君。そゆこと。何処の者かは流石に言えないけどね」
――なんだろう。
提示出来る証拠があるわけじゃないけどどこか安心できる。
敵意はないみたい……多分。
取り敢えず信用して聞きたい事聞き出そう。
「どうしてこれを破壊しようとしたのですか?」
「おっ。ズバリきたね。その物体の名はサンタ・マリア。兵器さ」
「兵器!?どうしてそんなものがここに?」
ルーナは耳を疑った。
「さぁな。双頭狼の奴等が盗んだか作ったんだろ。
取り敢えず危険な物には変わり無い。
俺はそいつを破壊する為に双頭狼にスパイとして入ったんだよ」
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