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「だけど肝心のパスワードが分かんなくてね。 漸く分かったと思ってドアを開けたら、あんたが居たってとこさ。 それでどうやって此処に入ったんだい。 結構苦労したからその分ショックなんだよなぁ」 ――初対面の人にこれだけペラペラ喋るなんて、ホントに敵意は無いみたい。 でも……。 「そんな簡単に自分の能力を喋る程私馬鹿じゃないの。ごめんなさい」 「そうか。まっ、しょうがねぇよな。せめてサンタ・マリアの破壊だけは俺にやらせてくれ。 俺の努力の結晶を無駄にしないでくれ」 そう言うとクリティバは両掌を合わせ頭を下げた。 どこまでも人見知りをしない男である。 「別に良いですけど、ちゃんと私にも見届けさせて下さい。それが条件です」 ルーナは条件を提示する。 ルーナもヴィラに仕事を頼まれてるからこのまま帰るわけにはいかないからだ 。 「全然OK。じゃ、ちょっと離れて見ててね」 そう吐き捨てるとクリティバはさっさとサンタ・マリアの方へ歩き出し、逆にルーナは入れ替わる様に自動ドアの方へと後退した。 ルーナがそこに着くとクリティバはサンタ・マリアの一部に触れるとドロドロと溶けだし始めた。 「…………うそ」 まるで液体のように溶けていきく移動型兵器サンタ・マリアは少しづつ原型を失っていく。 「な……なんで?」 ルーナは目の前の奇怪な物体の変化に思わず声を発した。 それに答えるようにクリティバも口を開いく。 「僕の能力は金属を自由に扱える能力。僕のこの掌に触れた金属は僕の奴隷になるのさ。 まっ、例外もあるけどね」 あまりの出来事をまだ飲め込めないユウリは小さな声でおうむ返しした。 「例外?」 「天授十器さ。あれは金属の更に上、超金属と呼ばれる物で出来ているからな。 あればっかりはどうにもならん」
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