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雨は翌日も続いていた。
昨日より一層強く、風もそれに比例している。
勉強を終えた昼頃、クルスは同室のブレルトとチェスをし、シカト少年はそれを観戦している。
「はぁ~、嫌な雨だなぁ」
盛大な溜め息と共に窓の向こう側をみるブレルトの黒い瞳には無数の雨粒と揺れる木々が映っていた。
「チェックメイト!」
クルスの陽気な声を聞いたブレルトは視線を盤上に戻してみると、いつの間にかキングに逃げ場は無かった。
これには黒い瞳を大きく見開き、絶叫するブレルト。
「あぁ~、チェスもバトルもクルスに一回も勝てないのかよ!!」
ブレルトの絶叫も他人事の様に華麗にシカトした観戦者は、駒を並べながら意気込みを露にしたその時だった。
「よし!次は俺だ。クルスの10連勝は俺が阻止してやる」
「きゃぁぁぁあ」
女性特有の高い声が院内響き渡る。
その声にただならぬ不安を感じたクルス達は勢い良く部屋を出た。
外開きのドアノブを開くと細長い廊下があり、少女二人が此方へ走ってきている。
「どうした!?」
「クルス!!アイズが、アイズが院長先生を……お願いクルス!!院長先生を助けて!!」
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