金色の銃と青い薙刀

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――まずいな。からかいすぎた。 磁光弾って言ったか? あれは氷じゃ防げないな。 状況の悪さを理解しヴィラは走り出す。 金色の歪な銃はヴィラの心臓に狙いを定めている。 「大人を舐めるからそうなんだよ」 重圧弾により本来なら範囲の中にいるヴィトリアも、重力が付加されるのだが、六星銃を持つ者は除外される。 「次は外さねぇからな」 相変わらずキレているヴィトリアは力一杯、迷わずトリガーを引いた。 六星銃から磁光弾が放たれる。 ―― 一か八かだ。 世界最強の硬度のこいつで受け止めてやる。 決意を胸にヴィラは混沌の薙刀を横にした。 猛スピードの弾丸を゛避ける゛のではなく゛受け止める゛。 「馬鹿かてめえ。んなもん成功するわけねぇだろ」 ヴィトリアの言う通り並大抵の事ではない。少しでもずれれば間違いなく直撃。 それはそのまま死を意味する。 しかし、これしかこの短い時間の中では手は思い付かない。 ヴィラは意を決した。
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