金色の銃と青い薙刀

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弾丸は氷柱の1つにぶつかると轟音とともに爆発し、辺りの氷柱を一斉に破壊し尽くした。 上空を黒い煙と火が覆い尽くし、生温かい風が二人に吹き付ける。 「これでもう氷は通用しねぇぞ。次はお前の体にこいつをお見舞いしてやるぜ」 ヴィトリアは特有の笑い声で高笑いしている。 機嫌は直ったようだが、微かにヴィラかはほくそ笑んでいた。 ――爆発……確かに氷との相性は最悪だな。でも、これで終わりだ。 「自分の足元見てみろよ」 完全に勝利を確信したヴィトリアとは裏腹に、対称的にヴィラは冷静に喋る。 「な……何だこれ」 目線を下にすると、ヴィトリアは足元が凍り付いていた。 「爆発する弾を発射した時に凍らせて貰った。ただそれだけの話さ」 ヴィトリアは危機感を感じたのか氷を砕く為に足を動かし、手や銃で殴るが足元の氷は砕けない。 そこにヴィラが追い討ちをかける様に言う。 「無駄だ。六星銃が氣の量で能力の質を上げられるようにこっちも氷の強度を変えられる。 そいつを壊すには超高速弾かさっきの爆発する弾しかないぜ? どうする?」磁光弾を使えば足を、爆発する弾・暴破弾を使えば体全体を犠牲にする。 次第にヴィトリアの表情には焦りが見え始めた。 「今度こそ終わりだ」 そう呟くとヴィラは走り出した。 ヴィトリアの真後ろに着くと切っ先を背中に当てるとそっと呟いた。 「氷覆塊(ひょうふくかい)」
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