金色の銃と青い薙刀

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背中に当てられた刀身から氷が発生し、背中に達するそれはゆっくりと広がり始めた。 背中から腕へ、更に下半身へと徐々に徐々に……。 「お、……おい。何だよこれ」 最後には胸から上と六星銃以外は全て氷で覆われてしまった。 身動きが出来ない歯痒(はがゆ)さから顔が真っ青になりつつあった。 「何故だ!?何故最強の武器を持つ俺が負けるんだぁぁぁ」 まさかの事態にヴィトリア発狂する。 その情景を見つめるヴィラは口を開いた。 「過信だよ。あんたこの銃の能力喋り過ぎなんだよ。 混沌の薙刀とじゃ恐らく能力的にはそっちの方が上だ。 どんな武器でも使い方次第で強くも弱くもなる。 ただそれだけさ。 それと感情を操られすぎだ。 じゃ、この銃は貰ってくぜ」 ヴィラは敢えて凍らせなかった六星銃を右手から取り、混沌の薙刀を2つの鞘に収める。 「その氷は1日と経たずに溶ける。じゃな」 言葉を残し古城の方へとヴィラは歩いていく。 するとヴィトリアが睨み付けてながら声を掛けてきた。 「てめえ、何で殺さねぇ?」 ヴィラは立ち止まり上半身だけ振り帰りなが言った。 「俺の任務は天授十器を手に入れるだけだ。あんたの命ははなっから奪う気はないよ」 優しい笑みに照りつけた太陽が合わさり、端正な顔立ちが更に増す。 ヴィラは前を見ると去っていった。 勝者 ヴィラ
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