派閥からの脱退者

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ヴィラは周囲に動物と人間の死骸が散らかっている中にユウリとルーナの姿を確認し、声を掛けた。 「クルスはまだ戦ってるのか?」 戦利品である六星銃をローブの内ポケットに入れながら聞くとユウリから返答が返ってくる。 「いえ、手傷を負ってたので先に帰りました」 四人のうち、クルス以外は次の任務が無い故、飛行機は近辺に二機存在する。 クルスは先にその1つに乗り帰ったのだ。 「はぁ…ったくホント子供だなあいつは。 あいつと一緒だと疲れるでしょ?ユウリさん」 普段温厚なヴィラも流石にこの行動には呆れている。 三人は周囲に死骸がある場所で飛行機を待つのも嫌なので、とにかく飛行機のある方へ歩き始めた。 「いえ、そんなことはありません。」 「あの……」 ユウリが返事を返そうとした時、ルーナが会話を遮る。 用件は言うまでもなく任務中に現れた謎の人物の事。 癖毛な緑髪のオールバックにグリーンアイの筋肉質な男のこと。 そいつは自分と同じく移動用物体を探しだし、破壊する為のスパイだったこと。 その移動用物体は実は、サンタ・マリアという要塞の様な移動型兵器だったこと。 そいつが移動型兵器に触れると、兵器は原型を失ったこと。 そして、そいつは近々デカイ戦争があると言っていたこと。 ルーナは自分の任務中に起こったことをかいつまんで説明した。
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