派閥からの脱退者

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そこにはクルスに悪魔に魂まで売らせた張本人であるアイズがいた。 憂いを帯びた瞳は変わらないが、整った顔つきはヴィラやクルスに引けを取らない。 「何だと?」 かつて共に任務をこなした事もあったが、突然脱退した男の発言に戸惑いを隠せないヴィラ。 「聞こえませんでしたか? 貴方の持つ天授十器を戴きに来ました」 約4年ぶりの再会にも関わらず、アイズは淡々と話す。 ――本気でやる気らしいな。 ヴィトリアとは違い、今度は最初から本気出さなきゃこっちが殺られる。 ヴィラは手を交差させ両手で両腰の剣を抜く。 直ぐ様2つの剣を合わせると、剣は1つの異形の薙刀に変わり、ヴィラは刀身をアイズに向け構えた。 「へぇ~、そいつが混沌の薙刀ってやつか。綺麗じゃねぇか」 張りつめた空気中、口を開いたのは赤毛の男だった。 男は立ち上がると体をパキパキと鳴らし、参戦の意思を示している。 「アイズさん。こいつ俺が殺っていっすか?」 殺人をゲームと勘違いしているみたいに男は笑っている。 「駄目だポルト。ヴィラさんとは俺がやる」 アイズは目線のみを動かし、相変わらず冷静に話した。 「えぇ~いいじゃないっすか。女二匹なんてつまんないっすよ」 「悪いな。今回は俺にやらしてくれ。次のアレには存分に暴れさせてやるから」
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