派閥からの脱退者

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「ポルト。あれを止めろ」 「うぃっす」 命令を請けたポルトは直ぐにルーナの前にたどり着き、右足を上げ横一線に蹴りを繰り出す。 ルーナはポルトの右足を寸前のところでしゃがみこみ、回避した。 「どけぇぇクソアマァァァァ。あひゃひゃひゃひゃひゃ」 ポルトは空振りした右足を地に着けると、遠心力を使い次は左足の蹴りを放つが、ルーナはそれを両腕を交差させ防ぐ。 しかし、所詮男と女。 力の差は歴然である。 「きゃっ!!」 ルーナの華奢な体は簡単に吹き飛び、艶のある黒髪に砂埃が付着する。 それを見たポルトはしてやったり顔をした後、無防備なユウリに標的を定め走り出す。 「次はお前だあ」 ポルトは右手で握りこぶしを作り、ユウリの顔面目掛け殴りかける。 しかし、当たったのはユウリではなくルーナだった。 「私の使命は時間稼ぎ。ユウリさんに擦り傷1つも付けさせない」 凄味のある瞳で睨み付けたのも束の間、またもやルーナは虚しく吹き飛ばされる。 薄い口からは赤い液体が流れている。「ありがと。ルーナちゃん。もう能力使っていいよ」 優しい声が聞こえた。 ルーナは優しい声の方を見ると、ユウリがニコッと笑いかけている。 足元には魔方陣が光出していた。 「現れよ。天鳥(あまどり)」
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