派閥からの脱退者

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「あんま舐めんなよ。……アイズ」 苦痛に顔を歪めているのは変わらない。 痛みで肩で息をし、右腹部を左手で押さえているのも変わらない。 それでもヴィラはニッと笑った。 「遅いですよ」 雷霆が放たれようとした瞬間、薙刀の刀身から何かが吹き出す。 「まずい!」 アイズの脳裏に1つの懸念が浮かび上がり、咄嗟に体を右に捻り屈む。 その動作により、左手の雷霆は目標を強制的に変えられ、荒れ狂う荒野に細い穴を開け消滅した。 「今のは……。そこまでその薙刀の力を使いこなせていたとは」 「なに言ってんだよ。4年……ぶりの再会……だろ?」 相変わらずヴィラの表情には激しい苦痛と、ほんの少しの笑みが窺えた。
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