派閥からの脱退者

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ヴィラは体に2つの風穴を開けられた、挙げ句の果てに唯一の武器・混沌の薙刀を奪われ戦闘不能 ルーナもナイフを刺され戦闘不能 ユウリは氣を使い果たし、口寄せ出来ない 単体でユウリを戦力と数えるには頼りない 対する二人の敵はピンピンとしており、疲れた様子など全く感じられない 正に絶対絶命だ 早朝からの連戦で疲弊(ひへい)しているとかは言い訳にもならない それほどまでに圧倒的な差があったのだ そしてその戦いに終止符を打つかの様に、アイズが雷霆を放とうと左人差し指を突き出す 今度こそヴィラの心の臓に狙いを定め…… 標的のヴィラは痛みにより最早動く事すら儘(まま)ならない 亀とかけっこをしたら勝つのは間違いなく亀だ ――ここまでか。 ヴィラは苦痛で顔を歪めたまま心の中で己の死期を悟った そしてゆっくりと表情、荒い呼吸を変えずに目を瞑る 真っ暗闇の中だが太陽の光を感じるその空間に、ある1つの光景が鮮明に映りだした 俗に言う走馬灯というやつだ
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