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「アルス!朝ですよ起きて下さい!」
とある寄宿舎の一室で『アルス』と呼ばれた少年は目を覚ました。
「…夢か」
アルスは先程まで見ていた夢を思い返す。
久し振りに見た過去のあの出来事。
「大丈夫ですか?凄い汗ですよ?」
起こしてくれた少年…ルームメイトの『クラト』が心配してアルスの顔色を伺う。
「大丈夫だ。水を一杯もらえるか」
「どうぞ」
アルスは受け取った水を少々噎せながらも一気に飲み干す。
「それよりも、流石にそろそろまずいですね」
不意にクラトが深刻な顔をして呟いた。
「どうしたんだ?」
「今日、私達の入隊式です」
慌てて時計を見てみれば、既に遅刻寸前の時刻。
アルスの顔色が変わった。
「…急げ!てか、先に言え!」
2人は素早く仕度を済ませると、飛ぶように部屋を後にした。
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