34人が本棚に入れています
本棚に追加
🌱🌱
「ただいま、花!」
桜の木下で海を見ていた花ちゃんの後ろから、パパが声をかけた。
「パパ、乗せて乗せて!」
「いいよ、覚えていたのかい?」
パパは、花ちゃんが何をしたいのかわかっていた。
軽々と花ちゃんを抱き上げると、桜の枝の一番丈夫そうなところに座らせた。
少しだけ海が広く見えるその場所は、花ちゃんとパパの秘密の場所なんだ。
太陽が少しずつ海に傾く。それまで青かった海が、オレンジ色に変わっていくのを、花ちゃんは見ている。
みず色だったお空もきっとオレンジ色に染まってる。
パパに降ろしてもらい、急いでテーブルに着く。
最初のコメントを投稿しよう!