🌷 桃色とあお色

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🌱🌱 「ただいま、花!」 桜の木下で海を見ていた花ちゃんの後ろから、パパが声をかけた。 「パパ、乗せて乗せて!」 「いいよ、覚えていたのかい?」 パパは、花ちゃんが何をしたいのかわかっていた。 軽々と花ちゃんを抱き上げると、桜の枝の一番丈夫そうなところに座らせた。 少しだけ海が広く見えるその場所は、花ちゃんとパパの秘密の場所なんだ。 太陽が少しずつ海に傾く。それまで青かった海が、オレンジ色に変わっていくのを、花ちゃんは見ている。 みず色だったお空もきっとオレンジ色に染まってる。 パパに降ろしてもらい、急いでテーブルに着く。
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