闇夜に紛れて

9/14
677人が本棚に入れています
本棚に追加
/242ページ
灘本は給油中の輸送ヘリの陰まで移動すると、見張りの兵士に忍び寄った。 手で兵士の口を押さえ、反対の手に持っていたナイフで喉元を切り裂く。兵士は断末魔を上げる間もなく絶命した。 灘本はポーチからC4プラスチック爆弾を取り出した。 粘土の様なC4爆薬に雷管を差し込み、ヘリの車輪の隙間に隠した。 「川崎、ヘリにC4を設置完了した。動きはあるか?」 灘本は無線でそう言った。 『動きはありません。それよりも、攻撃開始まで10分を切りました』 「分かった、時間が無いな。今すぐ司令部テントの裏まで来てくれ。さっさと終わらせる」 『了解、アウト』 そう言い、川崎から無線が切られた。
/242ページ

最初のコメントを投稿しよう!