沖縄戦、再び

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車外では戦闘が激化していた。四方八方から弾丸が飛び交い、双方に損害を与える。 「マンションの三階に敵!」 一人の隊員が叫び、96式装輪装甲車に搭載されているRWS(無人砲塔)が火を噴く。 強力な12.7㎜弾はコンクリートをボロボロに粉砕し、中国兵の身体を引き裂いた。 「皆、撤退準備だ。負傷者を車内に担ぎ込め! 大森、全員が入るまで援護だ」 落合の指示に従い、隊員達は続々と車両に入っていく。落合と大森はランプドアの傍から援護射撃を開始した。 「大型トラック脇の敵に制圧射撃!」 落合と大森は横転したトラックの影から顔を覗かせる兵士に向け弾丸を放つ。 弾は当たらなかったが敵兵からの攻撃を防ぐには十分だ。 「全員乗車しました!あとは1尉達だけです」 そう車内から隊員が告げ、二人が乗車しようとした時、大森が倒れた。
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