沖縄戦、再び

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「大森!」 落合が見ると、大森は首から流れ出す血を手で押さえていた。 落合は大森の防弾チョッキの襟元を掴み、彼を引きずるように車内へ入れた。 「発車しろ!」 ドアが閉められると共に、装甲車は発進した。それでも尚銃撃を加える中国兵にはRWSが弾丸をお見舞いしていく。 赤十字の腕章をした衛生要員が大森に寄り、首筋に止血帯を当てた。しかし止血帯は直ぐに真っ赤に染まった。 「1尉、ここではこれ以上のことは出来ません…」 衛生要員がそう言った。 「分かった」 落合は白いタオルを取り出し、止血帯の上から押さえる。 「大森、大丈夫だ。もうすぐ着くからな」 「これ位…何ともないですよ…」 大森は弱々しく言った。白いタオルも見る見る朱に染まっていく。 「…これから…この国どうなるん…ですか…」 「そうだなぁ…」 落合が大森をそっと見ると既に事切れていた。 「クソ…」 落合は静かに呟いた。
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