沖縄戦、再び

8/9
前へ
/242ページ
次へ
無線が切れたかと思うと、そのヘリはタンクに激突し大爆発を起こした。 「クソが…」 前に座っていた隊員がそう呟いた。 「揺れるぞ!」 パイロットがそう叫び、ミサイルをフレアで回避した。 しかし、その衝撃で前にいた隊員が放り出された。 隊員は何とか枠に掴まったようだ。 「助けてくれ!死にたくない!」 隊員はぶら下がった状態で必死に助けを求める。 「掴まれ!」 河合は手を伸ばし、隊員が出した手を掴もうとした。 しかし、河合は手は空回りし空を切った。 隊員は転落した様だが、既に落下点を通り過ぎているため姿を確認することは出来ない。 河合は呆然と途方に暮れた。
/242ページ

最初のコメントを投稿しよう!

677人が本棚に入れています
本棚に追加