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「しっかりしろ!お前も落ちたいのか!?」
隊長が背中を引っ張り席に座らせた。
「アイツは死んだ。運が悪かっただけだ」
隊長は河合の眼をしっかりと見ながら言った。
気付くと火の手が上がる精製所は遥か後方に見えている、対空砲火も無くなり、彼が落ちてから大分経ったようだ。
遠くに数十機の自衛隊のヘリコプターが見えるが、沖縄から撤退するために北の港に向かうのだろう。
真っ赤な夕焼けはあちこちから上る炎と重なり、辺りを更に紅く染め上げる。
この日、沖縄における全自衛隊部隊が本土へと撤退し九州防衛へと向かった。中国軍は沖縄本島を掌握し、北上を狙うのだった。
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