第一章゛財布編゛奇跡の場所

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「なんでこんな事になってるんだよ~」 俺は、困っていた。 今日は彼女と付き合って、ちょうど一年目の記念日。 俺の初めての彼女だ。 だから俺は今日を最高の記念日にしようと、一週間前からバイトをして金をためていた。 なのに 気付けば財布の中が空になっている。 なぜ? 「昨日、地元の達が来ただろ。」 俺は声に出してゆっくり原因を探ってみる。 「その後、俺が明日の付き合って彼女と一年目の記念日のために頑張った事をあいつらに言っただろ。」 「そしたら、あいつら興奮して前祝いだとか何とか言って近所の居酒屋で飲む事になったんだ」 「そして……」 …… その先が出て来なかった。 俺の体から血の気が引いていた。 「くそー、あの野郎共、どんだけ俺に突き合わせたんだよ~」 狭いアパートで俺はそう叫んでいた。
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