凛として、恋

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高校1年生になって、 はじめて一目惚れを経験した 名簿番号がちょうど俺の前 「はじめまして。えーっと…おーくら、ただよしくんで大丈夫なんかな、名前」 「うん、合ってるよ」 「よかった!俺、うち。内博貴な?っていうか、時代劇みたいな名前や」 初対面なのに全く人見知りしないで、俺に声をかけてくれたのは まさしく天使だった 今と違って黒で短めの髪に、整った顔立ち。 俺だってそれなりに中学時代からモテたけど、顔のことなんてよく分からなかった。 そんな俺でもわかるくらいの、端整さ。 そこから紡がれる甘い声。 完全に負けました。 一目惚れです。 しかも、男相手に。 いや、そりゃ俺だってむっちゃ戸惑ったんやで? やけど、まぁ。 持ち前の気楽さっていうか、なんていうか。 好きになったら、しゃあないよね。 こう思って開き直ったのは、入学式の校長先生の話が終わるころ。 はやいわ!って安に怒られたけど だって、前に座る内の髪に触れてみたくて仕方なかったから、 もう認めざるを得ないでしょ。   
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