凛として、恋

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やすはバレー部で。 ちっちゃいからメンバーの中でも浮いてるんやけど、努力だけはできる子やからなかなかの評価みたい。 まぁ、もちろん1年やからベンチにすら入れへんねんけど 内は入学してからしばらくは同じクラスの奴、はたまた先輩たちにまでバスケ部へと勧誘されてた。 だけどいつも適当にあしらってたんだ 「なぁ、なんで部活せんの?」 「えー…疲れるやんか」 すらっと伸びた手足にしなやかな体つきは運動しないのにはもったいないと思うのに、体育の授業まで手抜き。 なんかあったんかなって思ってやすにそれとなく聞いてみたけど、内は気分屋やからって言われただけやった。 そう、自由気まま 内はほんまに、よく言えば天真爛漫なんやけど気まぐれで生きていて。 そんな掴みどころのない性格まで好きになっていった クラスがだんだん馴染んでいくように、俺と内も馴染んでいった。 幼馴染のやすにだって、負けないくらいに あんまり頭がよくないとこ(むしろ残念なくらいなこと) 不器用なところ 子供みたいに笑うところ 案外哲学的なところ(やっぱり論点はどこかズレてるんやけど) 日に日に増していく好き、に内は応えてくれるかな? 夏休みだって結構頻繁に、ってわけにはいかへんけどそれなりに会ったし、海にだって行った。 夏の終わりの花火は断られたけど、確かに男ふたりでそれは寂しいもんな。しゃーない こうやって毎日が過ぎていくんだって確信もあった  
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