凛として、恋

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残暑が少しはマシになってきたと思ったら、すぐにやってきた冬の始まり。 内はあんまり夏休みの確認テストやら中間テストやらの結果がよくなかったみたいで滝沢先生に放課後呼び出されるようになった ちょっと滝沢先生を羨ましく思ったり たまに一緒に残ってたけど滝沢先生から禁止令が出たり、職員室に呼び出されたりしてたからなかなかいっしょに帰れなくなって、ちょっと寂しかったり。 そんななか、どうしても明日提出せなあかん課題を学校に忘れた俺は日も落ちた頃に学校に戻る機会があったんだ そこで見かけた、人影 内と知らない先輩がいっしょに帰ってた …嘘。 格好いいって評判の横山先輩が、わざわざ自転車を押しながら内といっしょに帰ってた めっちゃ、楽しそうに。 「あれ、大倉?めずらしいやん」 「……」 「おーくらー?…あ、あれ?内と横山先輩やろ?仲えぇよなあ」 「…内、先輩と知り合いなん?」 「知り合いもなにも、中学がいっしょで、内もバスケやってたから直接の先輩やねん」 「あ、ああ!そうやんな、はは、めっちゃ仲よさそうやから焦ったわ!」 そっか、そっか。 そうやんな 中学の先輩かあ、それはそれで羨ましいかもしれへん バスケしてる内が見れたんやろ?なかなかやん、うん なんてほど、世の中はお気楽には出来てなかった 「あと、多分やけど、あの二人、付き合ってると思う」 まあ、ほんまにこの時は衝撃的やったもんね 未だに引きずってるから やす、お願いだからそんなにサラッと俺をどん底に落とさないで 結局この日は課題も結局忘れて散々やったね、うん 忘れもしない、秋の夕暮れ  
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