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次の日、一晩考え続けてやっと決意した質問に
内はにこやかに頷いた
「なんでバレたん?恥ずかしいわ」
「昨日偶然見てもうた」
「むっちゃ恥ずかしい、いつ?」
「いっしょに帰ってるとこ」
「そっかー…夏休み、くらいかな?付き合い始めてん」
俺が内といっぱい会えた!って喜んでいた夏休み
その頃にはもう玉砕が決定していた恋やなんて、誰が気づいた?
横山先輩と付き合ってんの?
ああ、するんやなかった、こんな質問
だって内の照れた顔がむっちゃ可愛いねんもん。腹立つやんか。
それからもう、あれよね。
内のことはきっぱりと諦めて俺は新しい恋を、そう、たとえば近所のちょっと頭は残念だけどスカートの丈はむちゃくちゃ短い女子高の子なんかとしてみました。
…ってわけもなく。
甲斐甲斐しくまだ片想いしてます。
横山先輩に、敵意丸出しで。
向こうも多分気づいてるでしょ?
ほら、がっちりまわさせたその腕。俺への当て付けなんでしょ?
片想いから1年ちょっと。
季節は夏。
横山先輩と内が付き合い始めて2年目。
俺はまだ諦めてません。
「なあ、内!今日は俺と帰ろう!」
「え?あ、うん、ええよ?」
きっと昼飯は横山先輩との先約がある内に。朝一で帰りのお約束。
横山先輩よりも、先に。
これがクラスメイトの特権。
高校二年生の俺の恋とは、
爽やか・一途・ライバル
少女マンガの必須アイテムが全てそろった、完璧な片想い。
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