ヴァン・ヘルシング

プロローグ

16世紀初頭、世界は闇に支配されていた。冥王ハデスが使役していたｳﾞｧﾝﾊﾟｲｱの一族が突如反乱を起こし、冥王ハデスを玉座から引きずり出した。 野に放たれたｳﾞｧﾝﾊﾟｲｱは手当たり次第の人間を襲い、生き血を無くなるまで啜った。事態を重くみたゼウス神は急遽、対立していたハデスと協力関係を結び、『神聖教会』という異端討伐の秘密結社を造り上げた。
ハデスが使役していたｳﾞｧﾝﾊﾟｲｱの王、ドラキュラ伯爵を抹殺するために。
やがて、ハデスは一人の男を見つける。その男はｳﾞｧﾝﾊﾟｲｱに家族を殺され、全てを失った憎しみの眼差しをしていた。ハデスは男の憎しみの心に付け入り、悪魔の契約をした。 『お前に悪魔の力を与え、復讐をさせてやろう。その代わり、代償として死ぬことの出来ない呪われた不死の肉体となる。元通りにしたければドラキュラ伯爵を殺せばよい。』

男は躊躇いもなく契約をした。全ては復讐のため、失った家族のために。

『お前は既に人間ではない。人間の名を捨て、新しい名を与えよう。その名は【ヴァン・ヘルシング】。人間界のことばで、異端処刑人という。さあ、その手を復讐の血に染めろ！憎しみの心で満たせ！情けをかけるな！その時、お前の復讐は成就する。』

男はさまざまな苦難を乗り越え、遂にｳﾞｧﾝﾊﾟｲｱの王、ドラキュラ伯爵を討ち果たす。自分自身と共に封印という形で幕を下ろした。

世界は平和になり、ありとあらゆる技術の進歩により人間は豊を得た現代、闇は知らず知らずのうちに忍び寄っていた…。