さくら

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どれだけ名前を呼んでも、声が聞こえる事はなかった 携帯を眺めていても、一哉からの着信やメールが届く事はない 遠くへ行ってしまったのだ 自分の身に、こんな事が起こるなんて考えもしなかった あの日、仕事が終われば一哉に逢えたのに あの日逢った一哉は、もう冷たくなっていて目をあける事も私に笑いかける事もなかった ただ時間だけが過ぎてしまって、今日も一哉がいない一日をおくる
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