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私が学校を転校しなければならなくなったのは、親の離婚が原因だった。
私のお父さんが浮気をしていたのだ。
奈「…でも、変な子がいたよ。」
母「変な子?」
私の言葉に母は眉をしかめてはいるが、少し興味ありげな様子で、私に問い掛けてきた。
奈「うん。変な子。…なんかね、いきなり私の顔見て、俺の初恋の人に似てるとか言ってきたの。」
母「ふーん…。初恋の人か…。もしかしてその子、奈々に一目惚れしたんじゃない?」
母は楽しそうに、モテる女はつらいねぇと言って、食事の準備をし始めた。
一目惚れ……
そんなのあるはずがない…。
そうよ!
ただ私が似てるってだけなんだし、一目惚れなんてありえないよ。
私はそう思いながら、浮かれて鼻歌まじりで食事を作る母を、呆れた様子で眺めていた。
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