『BLOOD Covered KNIFE』エピローグ

その時だった。

誰かが倒れた音が聞こえ、交差点半ばで『僕』は反射的に振り返った。

二人組の片方、男がうつむきに倒れていた。

女は怯え、座り込み、

現代風の一人が短いが、何か鋭い物を持っていた。

『ナイフだ』

ナイフで、あの男はナイフで刺されたのだ

その時囲んでいた男達が一斉にこちらを振り返った。

ハッと口を抑えた時にはすでに遅く、うっかり声を出してしまっていた。

焦ったような顔で振り返った集団だが、こちらが高校生一人だと確認するやいなや、下卑た笑いを口元にはりつけ近づいてくる。

怖い。逃げよう。

そう思うが足がすくんで動かない。

嫌な汗が体中から溢れ出す。
喉が痙攣して、うまく空気を吸い込めない。

後数歩というところまで、男達が迫る。