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ドサッ
ふと気づいた時、僕は右手に小振りのナイフを持っていた。
足元には男が一人倒れている。
ナイフを持った『俺』の右手にはべっとりと赤黒い液体が張り付いていた。
回りの男たちは半歩ひいたように『俺』を見ている。
口元が自然に上がるのを感じる、体が勝手に動く。
低い姿勢から腰を捻りながら流れるような線を描きつつ、1番近くにいた奴の首筋に右手が吸い込まれる。
血しぶきを浴びつつ、今だ呆然と立ち尽くす男の喉笛にナイフを突き立てる。
倒れる男を押し、首にナイフを刺したまま、後ろにいた男の胸に更にナイフを突き立てる。
…後は簡単だった。
背を向けて逃げる男達に一人づつナイフを突き立てていくだけ…
数分もせず全員の男がうつむきになった。
…あとは…一人。
『僕』は 左手 に持ったナイフを逃げ惑う、最後の一人に振り下ろした。
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