序章

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実況「さぁ!!3勝3敗でむかえた日本シリーズ第7戦!9回ウラ シャインズはワンアウト三塁とサヨナラの大チャンス!!」 テレビから聞こえてくる実況の興奮した声に耳をやりこちらも興奮してテレビに食いつく少年が一人いた この少年、「葛城駆(かつらぎかける)」はプロ野球選手の父を持つ小学六年生(12才)。 この物語の主人公である。 実況「おーっと、ここで…原西監督が代走を告げました!!」 さらに食いつく駆。 ごくり… 『シャインズランナーの交代をお知らせします。三塁ランナー森に代わりまして…「葛城」。』 駆・観客「オォォォ!!!!」 場内アナウンスが選手名をコールした瞬間一気にボルテージの上がる観客。と駆。 「さあ、3年連続盗塁王の葛城。シリーズでは打てず今日はベンチスタートになりましたが大事な場面での登場になりました」 マウンドの投手が三塁をなんどか見る 守備はスクイズ警戒の前進守備 そしてセットポジションから第一球… 投球と同時にバッターはバットを寝かせてバントの構え ランナーはホームめがけて走り出す 外のボール球になんとか当てた打球は勢いよく一塁へ 一塁手がボールをとり素早く捕手へ投げる ヘッドスライディングしてくるランナーとキャッチャーのクロスプレー 主審「…セーフッッ!!」 少し間をあけて主審が両手を横に伸ばす その瞬間ベンチから選手が飛び出しランナーのもとへ駆けより歓喜の渦ができる 鳴り止まない拍手と球団応援歌。 会場のボルテージは最高潮まできていた。 実況「シャインズ優勝!!最後はサヨナラスクイズで勝負が決しましたァ!!」 駆「うぉぉぉ!!!父ちゃんすげーッッ!!」 限界まで近づいたテレビを前後に激しく揺らしながら駆は何度も同じ言葉を叫んだ。
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