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―太閤殿下より、今までの非を咎められ―
それが 今奴がこの場に送られた表向きの理由だ。
何故俺が奴…豊臣秀次の切腹に立ち会わなくてはならいのか。理解できない。
『俺はこいつが嫌いなのに』
しかし"元"であっても、奴の身分が高かった事はさすがの俺も理解できている。挨拶をし微笑んだままの"元太閤"に頭を下げた。
いつもそうだ。この男は何が可笑しいのか 常に微笑んでいる、俺はそれが気持ち悪くて堪らない。これが恐怖なのか、と錯覚する…
「ねえ、福島サン」
「…何?」
『相変わらず気味の悪い…』
会話なんてしたくなかった、全て見透かされているような気分になる。
「頼み事があるんだよね」「此処からだして★、以外ならな。」「あはは、福島サンて本当馬鹿だよねえ」「…ッ」
『これから死ぬ人間の悪あがきだろう』と内心皮肉りながら次の言葉を待っていたが、なかなか出てこない。
ちら、と様子を見ると 奴は申し訳なさそうな顔をして
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