頼み事

2/4
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
―太閤殿下より、今までの非を咎められ― それが 今奴がこの場に送られた表向きの理由だ。 何故俺が奴…豊臣秀次の切腹に立ち会わなくてはならいのか。理解できない。 『俺はこいつが嫌いなのに』 しかし"元"であっても、奴の身分が高かった事はさすがの俺も理解できている。挨拶をし微笑んだままの"元太閤"に頭を下げた。 いつもそうだ。この男は何が可笑しいのか 常に微笑んでいる、俺はそれが気持ち悪くて堪らない。これが恐怖なのか、と錯覚する… 「ねえ、福島サン」 「…何?」 『相変わらず気味の悪い…』 会話なんてしたくなかった、全て見透かされているような気分になる。 「頼み事があるんだよね」「此処からだして★、以外ならな。」「あはは、福島サンて本当馬鹿だよねえ」「…ッ」 『これから死ぬ人間の悪あがきだろう』と内心皮肉りながら次の言葉を待っていたが、なかなか出てこない。 ちら、と様子を見ると 奴は申し訳なさそうな顔をして
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!