キュン

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キュン

土曜日アルタ前で待ち合わせをした。 彼と会うのは三週間ぶり… 出版が決まって実家に帰りホストも辞め骨休みがてら満喫もしたとのこと。 一ヶ月はこっちには帰らないつもりが早めの戻り向こうの生活に飽きたのかな。 待ち合わせまでまだ時間があったのでラッシュに寄ってsoapを買おうとお店に入りメールが来ました。 “今どこ?俺は今着いた”早いなぁ~ “今ラッシュでsoap買おうとお店に入ったとこ。” “じゃあそこにいて。今そっち向かってるから” “わかった。待ってるね。” 髪型変えたからわかるかな? 向こうも変わってたらどうしよう… 三週間じゃ変わらないから。 『よっ!!久しぶり~』 相変わらずいい男だよ。君は… 『今会計するから待ってて。』 『パーマかけたの?イメチェンしてまた可愛い。それもいいよ』 とさらっと言いながら話かけてきて、ドキドキしちゃうでしょ…馬鹿 会計を済ませて何食べに行くって聞いたら誕生日のお祝いと出版のお祝いに蟹食べたいって言うのでかに道楽に向かいました。 まだ時間も早かったせいか空いていてすぐに入れました。 そして蟹を注文して生ビールで乾杯しました。 一口飲んだあとチョコと一冊の本が目の前に置かれ 『金ないからこれ、まだ出版前なんだけど出来上がったから。誕生日おめでとう』 思わず胸が締め付けられるほどキュンとしてしまったのです。 この本は最初の一冊はおばあちゃんの仏壇に供え、二冊目を私にくれてその最後のページにサインしてnameまで書いてあったのです。 思わず涙が出てしまって…チョコも男性から貰うのは初めてでした。 決してお金には変えられないほどの宝物。 『ありがとうね。こんな大事なもの本当にいいの?あとで返せって言われても返さないよ』 なんて冗談も言って久しぶりの会話に盛り上がり話はつきませんでした。 普段はいつも側にいて有り難みや大切なことにも気がつかない事も離れて見て気がつくこともあるんだとその時感じました。
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