劇団

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劇団

私は仕事で多忙な為か暇なけんちゃんの行動ひとつひとつに苛つくことが多くなってました。 いつまでこんなひもみたいな生活をするのか… 何も感じないのか… そんな矢先にいきなり劇団に通いたいと言い出したのです。 劇団と言っても千葉真一がやってる劇団。 呆れた顔して金額を聞いてみたら全部で30万!! もう開いた口が塞がらない。 『ねえ、けんちゃん…今自分がどんな立場にいるかわかってて言ってる?』 『わかってるよ。だからななちゃんに頼んでるんだよ。親はお金ないし頼めない。でも今ここで諦めたら後悔してしまうと思う。バイトしながら返すから。約束する。借用書も書くよ。』 『けんちゃんは作家になりたいの?それとも芸能人になりたいの?』 『芸能人になるつもりはない。だけど表現するために勉強したいんだよ。色々調べたけどここが一番良かったんだよ。それに黙ってたけどオーディションがあってそれに合格した人だけが入れるんだよ。明日が期日でお金振り込まないと入れなくなる。』 『オーディションって何?そんなの受けるために今の生活助けている訳じゃないよ。それに養成所でその中からスターになれる人はほんの一握りだよ。夢物語じゃないんだよ。明日までもう一度よく考えて。本当に必要なことなのか。本当に習いたいなら他にも自分の条件にあったとこがあるはず。今背伸びしても続かなかったら意味ないでしょ。』 『一生懸命考えて決めたことなんだ。お金もないしあきらめようとも思ったけど沢山いる中でオーディションに受かったってことは意味があるんだよ。何か俺にしか出来ない何かが…』 『ふぅ…』 そんな話し合いが夜中迄続いても結論は出ない… 私はけんちゃんの本当の姿を見てなかったのかなって… この話しにはよくある勧誘するだけして後は適当に稽古させてそれでまたオーディションがあるたびにお金だけ取るようなそんな匂いがしてならなかったのです。 明日というか今日も仕事の私は寝る時間がほとんどないけれど昼夜ともたなくなるのでどうするかよく考えて決めたらメールしてといい休みました。
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