本番

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「ん……」 真っ暗な部屋で目が覚める。 俺は……寝てたのか? 俺はベッドの上で横になっている。 体を起こそう。 そう思って体を動かした時に、異変に気付いた。 「なんだよ……これ……」 俺は、何かが両手と両足の手首と足首に巻き付いているのに気付く。 縄。 手足に縄が巻き付いていて、どうやってるかは分からないけど、俺は縄でベッドに張り付けられて、身動きが取れないでいた。 しかも、相当の力で縛っているらしく、どれだけ動かしても外れない。 どうしてこんな状況になった……? 俺は寝る前の記憶を思い出す。 たしか…… 優に久しぶりに家で晩御飯を誘われて、俺は優の家で晩御飯を食べた。 それから……それからどうなった? 晩御飯を食べてる最中から記憶がない? 優……優は大丈夫なのか!? 「優、優!!」 不安になり、優の名前を叫ぶ。 優は大切な妹のような存在だ。 優になにかあったら、俺は自分が許せなくなる。 だけど、俺の望んだ声はすぐ近くから聞こえた。
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