六分の一

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 そんなやりとりのあと、千穂ちゃんの提案を採用することにした僕達は、コンビニで立ち読みをして時間を潰すことした。  気付けば時間は八時丁度。  今から高校へと向かえば遅くも無く早くも無く、いい頃合だろう。ここからだと五分もかからないだろうし。  そう思いつつ、再び朝通った桜吹雪の中へと舞い戻る。  お、同じ制服を着ている人がたくさんいる。  あの人達も新入生なのだろうか。きっとそうだろうな。 「らいくん、そんな女の子ばっかり見ちゃ駄目だよ」  千穂ちゃんが隣でそんなことを言う。 「ごめんなさい」 「否定はしようよ!」  ん? ああそうか。  否定すればよかったんだ。謝ったら認めることになっちゃうじゃないか。 「女の子ばっかり見てない!」 「遅いよ!」  なんていう突っ込み速度。  今間髪いれずに入ったぞ。あっという間なんて無かった。  ていうか今のはなかなかの声量だったんじゃないかな。二人とも。  だって何か周りから注目されてるし。  千穂ちゃんは顔真っ赤にして俯いちゃってるし。 「恥ずかしい……」  ぼそり。  千穂ちゃんは呟いた。  でしょうね。僕だって恥ずかしいもの。  ま、千穂ちゃんほどじゃないだろうけれどね。
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