第二章・後編……【DEAD END CORPSE】

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  「ナイスガッツ」  遠慮なく。鵺は、殴りかかるクラハシの拳を躱して、一撃を見舞う。  地面に激しく殴り倒され。クラハシはバウンドする。 「んお?」  だが。鵺は、拳の妙な手応えに違和感を抱く。  なんだ。今のは。  殴った感触がおかしかった。初めて。  初めてだ。今みたいな感触は。 「────ッお」  雑念に捕らわれていると。顔面に、蹴りを食らう。  宙を舞っていたクラハシが、身を捻り、回し蹴りを放ったのだ。 「っとと」  鵺は、たたらを踏む。踏ん張りを利かせる暇もなかった。 「やるな」  鵺が、嗤う。  強い。こんなにも。  これだけ、相手の備えを突破して。これだけ、殴って。  それでも。それでも、相手は新しい何かを見せてくる。  面白いと感じた。楽しい、とも。  目の前に、敵がいる。敵が立っている。 「そっちこそ」  全人類最強の拳を受けたというのに。今度は、そんな素振りさえ見せない。  クラハシは、熱を帯びた視線を鵺に向ける。しかし、殺意は冷徹で纏う。  まだ、やれる。まだ、戦える。  まだ、戦えるという事は。鵺を殺せるチャンスがまだあるという事だ。  続いている。負けてない。  まだ、折れてはいない。  その意思は。  その牙は。  クラハシの気炎は未だ衰えず。
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