第一章:異常の中の日常

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ヒタ……ヒタ……。 足音がより一層少年の恐怖を駆り立てる。 「クッ、クソッ!」 しかし、どういう訳か足も金縛りにでもあったかのように動いてくれない。 「あ………く、来るな」 必死に拒絶する少年。 「来るな………来るなァ!」 足掻く、叫ぶ。それでも影は関係なしにと近づいてくる。 「来るな来るな来るな!!」 ついに影は少年に手を伸ばした。 「来るなァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!」 そして、 「ぁぁぁぁぁぁあ……………あ?」 少年は夢から覚めた。 日付は2月2日。 時刻は午前7時00分。 外からはチュンチュンと雀の泣き声が聞こえる。
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