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翌日、俺たちは再び、班行動をしていた。
俺はハッと思い出し、光野さんに話しかけた。
「光野さん!」
光野さんはいつもと変わらず可愛らしい。
俺は光野さんに『微遠の薔薇』を返した。
「これ、読んだよ。凄く面白かった!あとエロかった」
瞬間、光野さんの顔が真っ赤に染まる。
くぅ~~う!可愛い!
光野さんは頭からプシューっと煙を出して俯く。
俺は、満面の笑みを浮かべて、光野さんに訊いた。
「あとさぁ、それ、まだ『上』じゃん!持ってたら、『下』も貸してもら――」
「だ、ダメ!」
瞬間、誰かの声が響いた。
それは、弘希の声でなく、皐の声でもなく………。
そう、光野さんの声だった。
光野さんが、怒ったように言った。
俺は呆気にとられて、訊いた。
「な、なんで……ダメなの?何か………いけないこと………言った?」
「まだ、だめ………。ちゃんと……ハッキリしてからじゃないと……………」
この時発した光野さんの言葉の意味を、俺は理解できなかった。
その後、亜豆嬉に会ったり楓に会ったり、郁恵や知恵に会ったりした。
そして、モヤモヤしたまま、俺たちの修学旅行が終わった。
一体、光野さんは何で声を荒げたんだろう………。
俺は飛行機に乗りながら一人、思いにふけっていた。
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