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修学旅行が終わり、二日後の金曜日
この日は生憎の雨だった。
まぁ、6月だから仕方ないか……。
この雨を見ていると、去年の光野さんとの出会いを思い出す。
それと同時に皐からの言葉を思い出した。
『告白するなら、出会いと同じシチュ』………かぁ。
確かに一理ある……が、この前、少し嫌われてしまった。
まずは仲直りしなくてはなぁ……。
と、考えながら俺は制服に着替えていた。
只今時刻午前7時50分。
未だ皐は起きていない。
まぁ、久々の学校が憂鬱になるのは解るが、いい加減起きなきゃ遅刻するぞ。
ま、いつものことだからほっとくけど……。
俺は身支度を済ませ、家を出た。
玄関前には……誰もいない。
どうやら今日は一人で登校のようだ。
俺は目線をしたにしながら、道を歩く。
はぁ、雨ってホント鬱になるよなぁ。
なんて言うの?めんどくね?
ジメジメしてるとか、寒いとかの前にめんどくさい。
傘さしたり鞄濡れないようにしたり……まったくもってめんどくさい。
だから雨は嫌いだ……だけど、6月の雨は………好きだ。
矛盾………してるよなぁ、今の言葉。
だが、本当なのだから仕方ない。
ふと、目線を上げた。
前には美しい薔薇が描かれた傘を差している女子生徒がいた。
そして、美しい黄金色の髪の毛が見えた。
も、もしやあれは……!?
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