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更に半年が過ぎた、確実に 下半身はボクの一部に戻ってきている事を実感している。
まだ長い時間歩くのは無理だが、一時間位なら普通に歩ける。
ボクは次のステップに挑もうとしていた。
そう、アルバイトをする事だ。
いつまでも落ち込んでなんかいられない。
近くのファーストフードの店に面接に行き、事情も確実に伝えその上で採用してもらった。
他の人と差別無しで働いてもらうと言う条件で採用してもらったのである。
これで、甘える事は出来ない、自分を追い込む事で逃げ道をなくした。
週3回の仕事でわりと楽しい、生きている実感が嬉しい、以前希望を無くしていた自分が恥ずかしい。
そんな毎日を過ごし、休みの時はリハビリに打ち込んだ。
ある日バイトが終わり、着替えて帰ろうとしたとき、1人の女性が入れ替わりで出勤してきた。
ボクは、いつもの様に形式的に『お疲れ様でした。』と一言告げて立ち去ろうとした、その時彼女が、
『あのぅ~、私の事憶えていませんか? 私は貴方の事 憶えています。』
突然の言葉にボクは動揺してしまった。
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