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「ごめん、小野寺」 佐藤くんの“ブサ小”よりも、島田くんがワタシの名前を呼ぶことのほうが今は…イタイ。 「うん…」 「言い訳になるかもしれないけど、ずっと真央のこと忘れてはなくて」 「…うん」 「でもっ、だからって適当に誰かに告ったワケじゃない。小野寺のこと、本当に好きだと思ったし」 「うん…」 「でも…さ」 居ずらくなったクラスメイト達が、反対のドアから出て教室を後にする。 ワタシも…教室から出たい。 「小野寺も…佐藤」 「え…」 なんでここで、佐藤くんの名前が出るんだろう。 「佐藤の話、したりするじゃん?」 それは島田くんが中学からの友達って言ったから、だからワタシは相談してたんじゃないの? 「小野寺って男子と全然話さないのに、佐藤とは結構話してたみたいだし」 それは佐藤くんが意地悪をするから。 島田くん…知ってるじゃない。 「時々俺…教室に行ったんだよ?いつも小野寺ばっか来させて、悪いと思ってたから」 「あ…え、そうなんだ」 「だけど、入れなかった」 なんで…。 「佐藤には小野寺、素を出してるってゆーか」 「……」 なんだそりゃ。 なんだ……なに。 なんだかそれって、ワタシが今この状況をつくったみたいじゃない。
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