プロローグ

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プロローグ

  学校は好き。 「どいて」 友達は多くないけれど。 「そこに居られると邪魔なの」 意地悪な男子は居るけれど。 キーン… …コーン 4時間目の終わりのチャイムが鳴ると、クラスの違う彼に会いに行くため、騒がしい教室を出た。 「ブサ小」 ……。 聞こえた呼び掛けには知らん顔。 「島田、貸してほしい?」 …どこ行ったんだろ島田くん。いつもは廊下に居るのに。 「シカトしないでくれるかな…ブサ、」 「こら。ブサコじゃなくて、小野寺だから」 小野寺はワタシの名字だ。 振り返ると、教室の窓から顔を出している島田くんを見つける。 「あれ…屋上行かないの?」 「あぁ、屋上ね。先生が鍵掛けるようになって」 …そうなんだ。残念。 お昼休みは毎日屋上で島田くんと昼食をとっていた。 「食堂にでも行こっか」 「うん」 ……あれ。 「島田くん、背ぇ伸びた?」 付き合ってまだ1ヶ月。 それでも、隣を歩く島田くんの身長は覚えていた。 学校は好き。 この人との時間が好きなんだと思う。 「逆にブサ小が背ぇ縮んだんじゃない」 ……そうくるか。 佐藤くんはワタシをブサ小と呼ぶ。 「おい佐藤ー。人の彼女からかうなよなぁ」 「彼女ねぇ…」 「行こ、小野寺」 「うん…」 「佐藤も、飯食うなら自分の教室戻んねーと、岡本達が文句タレるぞ」 「…んー」 佐藤くんは同じクラスの男子で、何かと声を掛けてくる。 興味が無いのでいつも無視することが多いけど、島田くんと付き合いだしてからそれは始まった気がする…―。
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