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五郎を奥の部屋で待たせると、しばらくして戻って来た。
「お待たせしました。今日は、一三さんは、ご一緒ではないのですね?」
「ああ、実は…あんたなら相談にのってくれるかな…と思ってね」
「はい?ご相談ですか?お力になれますかどうか」
店主はそう言ったが、とりあえず五郎は、話をしてみる事にした。
「…というわけで…、あんたは、何となく気づいていたんじゃないか?」
うなずきながら、話を聞く店主。
「なるほど…そうですねえ。私はそんなに深くまでは、わかりませんでしたよ?でも、一三さんの目は、ただ、幼なじみを見る目とは違う気がしました」
「そうか。ところで…本題なんだが…」
五郎は、少しためらいながらも、話をした。
店主は、穏やかな顔をして、うなずく。
「なるほど、一三さんらしいですね」
「一三らしい?」
「はい、真面目な一三さんだからこそ、それだけ怒ったのでしょうね。
まぁ、一三さんでなくても、嫌がる方はいますよ。同性愛者の方でも。
仕事柄か、そういった相談も、何度か受けた事があります」
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