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「そういう時には、どう答えてるんだ?」
「はい。無理やりしてしまうと、確実にヒビが入りますからね。自然に、相手が求めるまで待つ事ですね。
一三さんの場合は、キスやハグをするのなら、五郎さんを、嫌いになったわけではありませんからね」
「しかし、あれ以来、それ以上の事をしたがらないんだ。挿入はしないと言っても」
すると、店主は立ち上がり、どこかへ行く。
そして、何かを手に戻ってきた。
「五郎さん、相手を好きな気持ちと、何かをするという事は、イコールではないのですよ。
男性と女性でも同じです。夜の営みをしないから、相手が嫌いなのではありません。 好きだけど、しなくてもいい。そういう考えの人という事です」
うなずきながら、話を聞く五郎。
「しばらくしても同じようなら、一三さんと話をしてみてください。
それで、なにか引っ掛かる事があれば、また相談にきてください」
そして、何かを書いた紙を渡した。
「私の携帯の番号です。もし必要であれば、私がそちらに向かいます」
「わかった。ありがとう」
五郎は、その紙を大切にしまうと店を出た。
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