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その夜…
「一三?どうしたんだ!?」
五郎が、一三に自分の思いを話すと
一三は再び、怒り始めた。
「五郎は、やっぱり僕の身体が目的なんだ!」
「違う!オレは、お前が好きなんだ!」
「だったら、口づけや、抱きしめるだけで十分じゃないか!」
一三は、さっさと布団に潜ってしまった。
あれ以来、布団も別々で寝ている。
「はぁ…一三。あ、そうだ…」
五郎は、さっそく店主から教えてもらった番号に電話をしてみた。
「もしもし…昼間はどうも」
『あっ、こんばんは!こちらこそいらしていただき、ありがとうございました』
五郎は、今さっきの出来事を話す。
「急に怒りだして…身体が目的なんだろうって…」
『なるほど…わかりました。五郎さん、明日そちらに向かいます。
どうやら一三さんは、誤解をしているようですね』
「誤解を?」
『はい、玩具を見た時点で、玩具=身体目的だと思ったのでしょう。
ほら、昼にお話した、あれと同じです。 玩具を使うから、身体目的…ではないのです。
やはり、第三者の私がお話した方が良いでしょう』
「わかった。頼んだよ」
『はい、では明日…午前10時に伺います』
カチャン…電話を切ると、五郎はため息をついた。
『一三さんは、誤解をしている』
人と人とは、つくづく難しいものだと感じた。
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